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マフィンと魔女と歌う樹のおはなし

プロローグ

 マフィンが小さな羽をばたつかせて飛びうつったさきには、ブナの小枝がはりだしていました。したたかに顔面を打ったマフィンは、白い羽毛をまきちらしながらきりもみ急降下。墜落。
 枯れ葉のクッションのうえで、なんとか身を起こします。
「ぜんぜんうまく飛べるようにならないや……」
 しょんぼり翼を落としていると、森のあちこちのこずえから、いくつもの羽音がかさなって聞こえてきました。大きな鳥たちが集まってきたのです。
 マフィンはあわてて羽づくろいをして枯れ葉を落とし、もとの真っ白な体にもどりました。なにごともなかったようにきりりとクチバシをひきしめ、つぶらな黒い瞳もきゅっとほそめて、ブナの木のいちばん低い枝へと飛びあがります。
 さあ、いよいよ鳥民会議のはじまりです。

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