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スケッチ(未分類)

小鳥の夢

小鳥を逃がす夢を見た
虎が部屋にやってきたので
私はチョコレートのように喰われようとした
小鳥はその間に
私の知らない場所へ逃げた

虎は私に感謝して
自由の国へ連れて行ってくれた
私は小鳥を捜したけれど
まだ見つからないの

私の愛しさと憎しみを凝縮したような黄色い羽根
この夢にはいない
黄色と漆黒のたてじまで
虎は賢そうにおしゃべりする
危険信号の毛皮に埋もれて 今日はもうおやすみ
あと一回目覚めることができたら
今度こそあなたに会えるかしら

'06 ― The Tiger And The Little Bird ―

しんしんと雪は降り積む

あらゆる音を呑み込んで
音無き世界に
しんしんと

音も無く雪は降り積む

その中に
声を震わした 小さき鳥が埋められたとて
いったい誰が気付くだろう

しんしんと雪は降り積む

あらゆる罪の穢れをその静寂にて退け
小鳥の羽ずれも小鳥の温もりも
その白き内に覆い隠し

あらゆる命の叫びも猛りも狂いも
その冷たき中にうず

しんしんと
音も無く雪は降り積む
月に照らされた銀の美しさを誇り
天使のごとくに穢れ無き白雪よ
その雪が微かに灰色だとて
いったい誰が気付くだろう
埋められて眠る小さき鳥に

'00 ― Saint And The Little Bird ―

夏の君

一瞬の 鮮やかなイメージを残して
走り去る風
       君の姿

真夏の日の ある晴れたイメージ
僕の瞳と 灼きつく心
君の姿が
      見えなくなるまで

'99 ― Imagination ―

月夜の猫

みやるお みやるを
猫がないている
屋根の上で
きっと しっぽをぴんとのばして
月にむかって

みやるお みやるを
私は誰を愛しているのでしょう?
この昏い夜
私は誰を想って涙を流しているのでしょう?
誰か 私と一緒に泣いてくれればいいのに

みやるお みやるを
猫たちがないている
犬の遠吠えが混じる夜
屋根の上で
きっとしっぽをぴんとのばして
月にむかって

'97 ― Moon Light Cat ―


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